バスケットボールやサッカーなどの球技では、身長が高く大柄な選手もいれば小柄な体格でも活躍している選手もいます。

一般的な傾向として小柄な選手ほど動きがすばしっこく俊敏で、それに比べると大柄な選手は動きの素早さでは劣ります。

このような傾向がみられるのは、筋肉の特性に理由があります。

【筋肉が発揮できる筋力は、筋肉の断面積に比例する】

ということが知られています。

筋肉の「体積」ではなく『断面積』に比例するというのがポイントです。

例えば同じような体つきの身長150cmの選手と180cmの選手で比較して考えてみましょう。

180cmの選手は150cmの選手と比べて身長が1.2倍に相当します。

体の横幅も厚みも同じように1.2倍であるならば、体の体積は1.2の三乗となり約1.73倍となります。

体重は体の体積に比例すると考えられるので、体重も1.73倍となります。

ここで筋力の差について考えます。

筋肉の断面積は、一辺が1.2倍になれば1.2の二乗で1.44倍。

したがって筋力も1.44倍になります。

つまり身長が1.2倍になった場合、体重は1.73倍まで増えるのに筋力は1.44倍にしかなりません。

これが大柄な選手ほど動きが緩慢になりやすい一つの原因です。

大型の哺乳類であるゾウやキリンの動きがゆっくりである一方、ウサギやネズミのような小型の哺乳類の動きが総じて素早いのも同じ理由かもしれません。

身長が高いほど有利になるスポーツが多いですが、このように小柄であることもデメリットばかりではありません。

自分の資質にマッチした競技やポジションを選ぶことで可能性が広がります。