喫煙習慣は肺をはじめとする呼吸循環器系に悪影響を与え、体に酸素を取り込む能力を低下させることは広く知られています。
マラソンや水泳、自転車競技のような、酸素を大量に取り込んで長時間体を動かすスポーツにおいては喫煙歴は競技力を大きく低下させる要因になるでしょう。
しかしながら筋トレのような短時間で瞬発的に力を発揮する場面においては、喫煙習慣の有無はパフォーマンスに大きな影響を及ぼさないと考えられます。
野球やボディビル競技のような、持久力があまり要求されない瞬発系スポーツのアスリートの中には一定数の愛煙家がいると聞きます。
喫煙習慣があっても適切なトレーニングと食事管理ができれば、筋肉を付けることも痩せることも可能です。
とは言えタバコは吸わないに越したことはありません。
今回この記事を書くにあたって、スポーツやダイエットに喫煙が及ぼす影響について調べましたが、そのようなテーマの研究・論文はあまり多くは見つかりませんでした。
例えばプロテインサプリメントと筋肥大の関係を調べる際には、プロテインを1日に2杯飲む人と飲まない人でグループ分けして1カ月後の変化を比較するといった手法がよく用いられます。
喫煙の影響を調べるためには、タバコを1日1箱吸う人と吸わない人とで比較をすればよいですが、研究のために1日1箱のタバコを吸うノルマを課すということはおそらく難しいでしょう。
健康に害があることが明らかな喫煙を強要するということになるので、今の時代では倫理的に実験がやりづらいとも考えられます。
喫煙は体作りにおいて致命的なほどの悪影響はないものの、少なくとも良い影響は与えないので吸う本数を減らすところから習慣を変えていけるとよいでしょう。